ここ数日、イスラエル占領地では何度も警報サイレンが鳴り響き、シオニスト政権は占領地の内奥まで届くイエメンの弾道ミサイル「パレスチナ2」に恐怖を感じています。このミサイルは2040キロメートルの距離を飛行し、占領地の中心部に到達しました。イエメンによるミサイル攻撃は、西アジア地域やガザ地区における戦況に多大な影響を与える政治・軍事的メッセージを伝えています。
第1のメッセージ:イエメンのミサイルはイスラエルのネタニヤフ首相の自尊心を木っ端みじんに打ち砕きました。ネタニヤフ首相は、抵抗の枢軸に対する自らの勝利を証明しようとはったりを演じ、孤立無援となったハマスに交渉で譲歩させることができるなどと主張していました。
第2のメッセージ:イエメンは今回の攻撃で、超音速ミサイルによる集中攻撃の誘導が可能であることを証明しました。一方、ネタニヤフ首相は「イスラエル占領地ではこれ以上警報サイレンが鳴ることはない」と虚勢を張っています。
第3のメッセージ:イエメンのミサイルは、イスラエルの防空システムにとって新たな失敗であることを証明しました。イスラエルは昨年10月、米国から対ミサイル防衛システム「THAAD」を導入しましたが、今回早くも突破されたことになります。
第4のメッセージ:イエメンは、イスラエルによるガザ侵略が終わり封鎖が解除されるまで、ハマスとガザ地区の人々を支援するという選択を最後まで貫き通すことを示しました。この立場は、イエメンが空襲や脅迫を恐れず、最後までガザ支援を継続する抵抗体制であることを示しています。
第5のメッセージ:今回の攻撃は、イエメンが攻撃された場合、もはやレッドラインはなく、米国の利益がイエメンにとって標的となることを明確に伝えています。
第6のメッセージ:イエメンがミサイル攻撃を続けていることは、イスラエルとの戦いに終わりがないことを示しています。これはイエメンのアンサーロッラーの公式報道官が語ったとおり、「我々はさまざまなレベルでイスラエル占領地域と中枢施設を標的にしており、侵略への報復に関して越えてはならない一線はない」ということなのです。
こうしたイエメンの攻撃にイスラエルは有効な手立てを打てずにいます。
イスラエル紙「イディオト・アハロノト」の政治アナリスト、ロン・ベン・イシャイ氏は、地理的な距離や諜報・軍事面での限界、そしてミサイル・無人機生産の破壊を目的とした作戦に限りがあることから、「イエメンへの報復は非常に難しい」と指摘しています。
イエメンは自らに対する脅迫に効果がないこと、アメリカやイスラエルへの抵抗は今後も続くであろうことを証明した形となっています。